テストステロン(男性ホルモン)が多いとハゲる?薄毛との関係について

親和クリニック院長 音田正光

親和クリニック
総院長 音田 正光

テストステロン(男性ホルモン)が多いとハゲるというのは本当なのでしょうか?テストステロンの役割や、量が増えることによる身体への影響、薄毛との関係性についてご説明します。

テストステロン(男性ホルモン)とハゲ・薄毛の関係

ハゲ・薄毛の原因になるのは「ジヒドロテストステロン(DHT)」

テストステロンとハゲ・薄毛の関係は複雑です。テストステロン自体が直接薄毛を引き起こすわけではありませんが、その代謝物であるジヒドロテストステロン(DHT)が主な原因となります。
以下では、テストステロンがどのようにハゲや薄毛に影響を与えるのか、詳しく解説していきます。


テストステロンとは?

テストステロンは、男性ホルモンの代表的な存在です。実際、男性ホルモンの約95%がテストステロンで占められています。主に精巣で生成されるこのホルモンは、男性の身体的特徴や精神面に大きな影響を与えます。

テストステロンの主な役割には以下のようなものがあります。

1.筋肉量の増加と維持

2.骨密度の向上

3.体毛の成長促進

4.男性性器の発達と機能維持

5.精子の生成

6.性欲の調整

7.赤血球の生成促進

8.脂肪分布の調整

まとめると、テストステロンは「男らしさ」を形成する重要な要素となっています。また、精神面でも活力や自信の向上に寄与し、全体的な健康維持に不可欠なホルモンです。


テストステロンがハゲ・薄毛に与える影響

テストステロンは男性らしい体の形成に重要な役割を果たしますが、直接的にハゲや薄毛を引き起こすわけではありません。実際、テストステロン自体には髪の成長を促進する効果もあります。
しかし、テストステロンが5α-リダクターゼという酵素と結びつくと、ジヒドロテストステロン(DHT)に変換されます。このDHTが頭皮のアンドロゲン受容体と結合することで、毛髪の成長サイクルを短縮させ、薄毛の原因となります。
つまり、テストステロンの量が多いことが直接的にハゲにつながるわけではなく、DHTへの変換量や頭皮の感受性が重要な要因となります。そのため、テストステロンレベルが高くても必ずしも薄毛になるわけではなく、逆にテストステロンが少なくても薄毛になる可能性があります。
薄毛の予防や改善には、DHTの生成を抑制したり、頭皮の環境を整えたりすることが重要です。

ハゲ・薄毛の原因になるのは「ジヒドロテストステロン(DHT)」

AGAの進行メカニズム

ハゲや薄毛の主な原因となるのは、テストステロンから変換されるジヒドロテストステロン(DHT)です。この変換過程は以下のように進行します。

1.テストステロンは体内で5α-リダクターゼという酵素と結合します。

2.この結合によって、テストステロンはDHTに変換されます。

3.DHTは毛包のアンドロゲン受容体と強く結合し、毛髪の成長サイクルに悪影響を与えます。

DHTはテストステロンよりも約2〜3倍強力にアンドロゲン受容体と結合し、その解離率も約5倍遅いため、より長期間作用します。
この強力な作用により、DHTは毛包を縮小させ、毛髪の成長期を短縮させます。結果として、髪の毛が細くなり、最終的には脱落してしまいます。
したがって、ハゲや薄毛の予防・改善には、DHTの生成を抑制することが重要です。


ジヒドロテストステロンはハゲ・薄毛(AGA)を引き起こす

ジヒドロテストステロン(DHT)は、ハゲや薄毛(AGA)の主な原因です。その仕組みは次のようになります。

1.テストステロンからの変換: テストステロンが5α-リダクターゼという酵素と結びつくことで、DHTが生成されます。

2.毛包への影響: DHTは毛包のアンドロゲン受容体に結合し、毛髪の成長を妨げます。

3.成長サイクルの短縮: DHTの影響で、毛髪の成長期が短くなり、十分に成長する前に抜け落ちてしまいます。

4.新しい毛髪の生成阻害: DHTは新しい毛髪が生えるのを妨げるため、抜けた毛髪が補充されません。

5.毛髪の細化: DHTの作用により、髪が細く柔らかくなり、最終的には生えなくなります。

このように、DHTは毛髪の成長を妨げることで、薄毛を引き起こします。特に遺伝的にDHTに敏感な人は、AGAが進行しやすくなります。


ジヒドロテストステロンが増える原因

ジヒドロテストステロン(DHT)の増加には、以下の要因があげられます。


加齢

年齢とともに、体内のホルモンバランスが変化します。テストステロン総量は減少しますが、残ったテストステロンがDHTに変換される割合が増加します。
また、体のDHT分解能力も低下するため、結果的にDHT濃度が高まり、ジヒドロテストステロンが増える原因になります。


遺伝的要因

遺伝により、ジヒドロテストステロン(DHT)を作る酵素の活性が高い人がいます。
この人たちは、体内のテストステロンがジヒドロテストステロン(DHT)に変わりやすく、結果的にジヒドロテストステロン(DHT)量が増加します。


ストレス

ストレスは自律神経やホルモンバランスを乱し、ジヒドロテストステロン(DHT)の分泌を増加させます。
特に強いストレスがかかると、男性ホルモンが優位になり、DHTの生成が促進されます。


生活習慣の乱れ

不規則な生活や偏った食事、運動不足はホルモンバランスを崩します。
特に睡眠不足や過度の飲酒、喫煙はテストステロンの増加を招き、ジヒドロテストステロン(DHT)の生成が促進されます。


ホルモンバランスの乱れ

ホルモンバランスが崩れると、体内のホルモンの分泌が不安定になります。
特にストレスや不規則な生活が影響し、テストステロンが増加しやすくなります。この結果、ジヒドロテストステロン(DHT)の生成が促進されます。


ジヒドロテストステロンを減らす方法

ジヒドロテストステロン(DHT)を減らす方法には、以下の4つがあります。


生活習慣の見直し

喫煙や過度な飲酒を避けることが重要です。これらはジヒドロテストステロン(DHT)を増加させる要因となります。
また、有酸素運動を行うことで、汗や尿を通じてジヒドロテストステロン(DHT)を排出しやすくなります。
十分な睡眠もホルモンバランスの正常化させることでジヒドロテストステロン(DHT)を減らすことができます。


食生活の改善

亜鉛やイソフラボンを含む食品を積極的に摂取しましょう。
亜鉛は5α-リダクターゼの働きを抑える効果があり、大豆製品に多く含まれています。


頭皮ケア

ジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑えるシャンプーやトニックを使用することも効果的です。
特に、ケトコナゾールが含まれている製品がおすすめです。


AGA治療薬の服用

医師の処方によるフィナステリドやデュタステリドは、5α-リダクターゼの働きを抑え、DHTの生成を減少させます。副作用があるため、使用は医師と相談してください。

テストステロンの効果

ハゲ・薄毛の原因になるのは「ジヒドロテストステロン(DHT)」

テストステロンは、心身に多くのメリットをもたらす重要なホルモンです。
まず、筋肉の成長と筋力向上に寄与し、運動効果を高めます。また、認知機能を改善し、集中力や記憶力を向上させることで、日常生活や仕事のパフォーマンスを向上させます。
さらに、気分を安定させ、ストレスへの耐性を高めるため、精神的な健康にも寄与します。
心血管系の健康を促進し、生活習慣病のリスクを低下させる効果も期待されます。
このように、テストステロンは心身の健康に深く関与しており、多くの人にとって重要なホルモンです。
次に、テストステロンが多い人の特徴について詳しく探ります。


テストステロンが多い人の特徴

テストステロンが多い人は共通して下記のような特徴があります。

  • 筋肉質な体型: 筋肉の発達が促進され、がっしりとした体格を持つ。
  • エネルギッシュで活動的: 日常生活や仕事において活力に満ち、行動的。
  • 自己主張が強い: 自分の意見をはっきり述べ、リーダーシップを取る傾向がある。
  • 競争心旺盛: 新しい挑戦を好み、競争に対して積極的。
  • 前向きな思考: 失敗しても冷静に対処し、ポジティブな姿勢を維持する。
  • 社会的成功: 人間関係の構築や職場での成果においても優れた能力を発揮する。
  • このように、テストステロンが多い人は、心身ともに充実したプラスの傾向を持たれる方が多いです。


    テストステロンを増やす方法

    テストステロンは、心身の健康に重要な役割を果たすホルモンです。以下の方法でその分泌を促進できます。


    筋トレをする

    筋肉を刺激することでテストステロンの生成が促されます。特にスクワットや腕立て伏せなど、大きな筋肉群を鍛える運動が効果的です。


    良質な睡眠をとる

    睡眠中にテストステロンが分泌されるため、6〜7時間の質の高い睡眠を確保しましょう。


    栄養バランスの良い食事をとる

    亜鉛やビタミンD、たんぱく質を含む食品を積極的に摂取しましょう。牡蠣や卵、魚類、野菜などが推奨されます。これらはテストステロンの合成に必要な栄養素です。


    ストレスを溜めない

    ストレスはテストステロンの分泌を抑制します。趣味やリラックス法を見つけ、日常生活でストレス発散することが大切です。


    新しいことにチャレンジする

    新しいことにチャレンジすることは、自己肯定感を高め、テストステロンの分泌を促進します。
    スポーツや趣味、恋愛など、どんな分野でも新たな挑戦が重要です。
    新しい経験を積むことで、自信がつき、心身の健康にも良い影響を与えます。
    積極的に新しい活動に取り組むことで、テストステロンのレベルを向上させることが期待できます。


    クリニックで治療を受ける

    テストステロン補充療法や内服薬、外用薬による治療も選択肢です。


    テストステロンが少ない人の特徴

    体型の変化:
    ・筋肉がつきにくく、脂肪がつきやすい
    ・肥満になりやすい傾向がある

    体力の低下:
    ・疲れやすく、日常的な活動でも疲労を感じやすい
    ・運動能力が低下する
    ・精神面の変化

    集中力が散漫になりやすい:
    ・諦めが早く、物事に対する意欲が低下する
    ・計画性が乏しくなる
    ・イライラしやすく、怒りっぽくなる

    感情の浮き沈みが激しくなる:
    ・ネガティブ思考に陥りやすい
    ・性機能の変化:
    ・恋愛や性的な事柄に対して消極的になる

    男性機能(勃起力など)が低下する:
    ・性的欲求が減少する

    その他の特徴:
    ・骨密度が低下し、骨折のリスクが高まる
    ・皮膚の弾力性が低下する
    ・髪の毛が薄くなりやすい

    これらの特徴は、テストステロンが少ない人に一般的に見られる傾向です。ただし、個人差があるため、必ずしもすべての特徴が当てはまるわけではありません。


    テストステロンが減る原因

    加齢:
    ・20〜30歳がピークで、その後徐々に減少
    ・40歳以降で顕著な低下が見られることが多い

    ストレス:
    ・過度なストレスによりコルチゾールが分泌
    ・コルチゾールがテストステロン生成を抑制

    生活習慣の乱れ:
    ・不規則な睡眠
    ・バランスの悪い食事
    ・運動不足

    過度な飲酒:
    ・アルコールがテストステロン生成を阻害
    ・肝臓機能の低下によりホルモンバランスが乱れる

    喫煙:
    ・血流を悪化させ、テストステロン生成に必要な栄養素の供給を妨げる

    慢性的な病気や内分泌系の異常:
    ・糖尿病や肥満
    ・甲状腺機能障害

    環境ホルモンの影響:
    プラスチック製品などに含まれる化学物質の影響

    これらの要因が単独または複合的に作用し、テストステロンの減少を引き起こします。


    健康的なテストステロンの基準値

    テストステロンには、タンパク質と結合した状態と、結合していない「遊離型」があります。
    遊離型テストステロンは、体内で直接作用する重要な形態です。
    日本では、健康な成人男性の遊離型テストステロンの基準値を8.5pg/mL以上としています。
    8.5〜11.8pg/mLはボーダーラインです。ただし、年齢や個人差があるため、気になる場合は、専門医に相談しましょう。

    その他のハゲ・薄毛の原因となる要素

    ハゲ・薄毛の原因になるのは「ジヒドロテストステロン(DHT)」

    ジヒドロテストステロン以外にも、ハゲや薄毛の原因となる要素があります。主に遺伝、生活習慣、ストレスの3つが挙げられます。
    これらの要因が単独または複合的に作用することで、薄毛を引き起こす可能性があります。


    遺伝によるハゲ・薄毛

    遺伝は薄毛の主要な原因の一つです。
    特に男性型脱毛症(AGA)は強い遺伝的傾向があります。
    遺伝子は5αリダクターゼの活性度や男性ホルモン受容体の感度に影響を与えます。
    母方の祖父が薄毛の場合、AGAを発症する確率が約75%と高くなります。
    ただし、遺伝子だけでなく環境要因も関係するため、必ずしも親が薄毛だからといって子供も薄毛になるわけではありません。
    また、女性の薄毛は男性に比べて遺伝の影響が少ないとされています。%がテストステロンで占められています1。主に精巣で生成されるこのホルモンは、男性の身体的特徴や精神面に大きな影響を与えます。


    生活習慣によるハゲ・薄毛

    不健康な生活習慣は薄毛のリスクを高めます。偏った食事や栄養不足は、髪の毛の成長に必要な栄養素が不足し、薄毛の原因となります。
    特にタンパク質、ビタミン、ミネラルの摂取が重要です。
    また、過度の飲酒や喫煙は血流を悪化させ、毛根への栄養供給を妨げます。
    睡眠不足や不規則な生活リズムもホルモンバランスを崩し、薄毛を促進する可能性があります。
    さらに、過度の紫外線暴露や頭皮ケアの不足も毛髪の健康に悪影響を与えます。


    ストレスによるハゲ・薄毛

    ストレスは血流を悪化させ、毛根への栄養供給を妨げます。
    さらに、ストレスによる睡眠障害や食欲不振は、体全体の健康状態を低下させ、間接的に薄毛を引き起こす可能性があります。
    慢性的なストレスは特に注意が必要で、ストレス管理や適度なリラックスが薄毛予防に重要です。

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    女性特有のハゲ・薄毛の原因について

    女性特有の薄毛要因には、以下のようなものがあります。

  • 妊娠・出産: 妊娠中はエストロゲンの増加により髪が豊かになりますが、出産後にホルモンバランスが急変し、「産後脱毛」が起こることがあります。
  • 更年期障害: 40〜50代の更年期に入ると、エストロゲンの減少により薄毛が進行しやすくなります1。
  • ホルモン療法: 避妊薬や更年期障害の治療薬など、ホルモンバランスに影響を与える薬の使用が薄毛を引き起こす可能性があります。
  • 鉄欠乏性貧血: 女性は月経による出血で鉄分が不足しやすく、貧血による薄毛のリスクが高まります1。
  • 過度のヘアスタイリング: 頻繁な染髪や縮毛矯正、タイトな髪型などが頭皮や髪に負担をかけ、薄毛の原因となることがあります。
  • これらの要因は、女性のライフステージや生活習慣に特有の影響を受けています。

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    自毛植毛による薄毛治療について

    自毛植毛による薄毛治療について

    自毛植毛は、薄毛治療の効果的な治療です。
    自毛植毛は、後頭部や側頭部の健康な毛髪を薄毛部分に移植する治療となります。

    自毛植毛の主なメリットは以下の通りです

    1.自然な見た目:自分の毛髪を使用するため、仕上がりが自然です。

    2.長期的な効果:移植した毛髪は半永久的に生え続けます。

    3.副作用のリスクが低い:自身の毛髪を使用するため、拒絶反応の心配がありません。

    4.維持の手間が少ない:一度施術すれば、継続的な治療や薬の使用が不要です。

    自毛植毛は、初期費用は高めですが、その後の維持費がほとんどかからないため、長期的には非常に経済的な選択肢です。
    また、薬物療法やかつらとは異なり、一度施術を受ければ日々のケアや定期的な通院が不要で、手間がかからず安心して生活できます。
    そのため、自毛植毛は時間とコストの両面で優れた治療です。

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    テストステロンのよくある質問

    Q. テストステロンが多いとどんなメリットがありますか?

    A. テストステロンが多いと、筋肉や骨の成長を促進し、生殖機能を向上させます。
    また、気分や意欲を高め、集中力や記憶力の向上にも寄与します。健康的な体と精神を維持するために重要なホルモンです。


    Q. テストステロンはハゲの原因になりますか?

    A. テストステロン自体は直接ハゲの原因とはなりません。
    しかし、テストステロンが5αリダクターゼという酵素によって変換されたジヒドロテストステロン(DHT)が、薄毛やAGAの主な原因となります。
    DHTは毛根を縮小させ、髪の成長サイクルを短縮させる作用があります。


    Q. テストステロンは薄毛を改善しますか?

    A. ストステロンは髪の成長を助け、薄毛の改善に役立ちます。適切な量があれば、毛根の健康を促進し、髪の成長をサポートします。
    ただし、テストステロンが過剰になると、悪影響を及ぼすジヒドロテストステロン(DHTに変わるため、バランスが重要です。


    Q. テストステロンで髪が太くなりますか?

    A. テストステロンは、ヒゲや体毛を濃くする効果があり、頭髪にも同様の影響を与えます。
    適切なレベルのテストステロンは、毛根を刺激し、髪の成長を促進します。
    これにより、髪が太く、強くなる可能性があります。
    ただし、個人差や他の要因も影響するため、効果には個人差があります。


    Q. テストステロンが増える食事はなんですか?

    A. テストステロンを増やす食事には、亜鉛が豊富な牡蠣や牛レバー、たんぱく質を含む肉類や魚、ビタミンDが豊富なきのこ類などがあります。
    また、山芋や里芋にはDHEAが含まれ、納豆や海藻類はビタミンKが豊富です。
    これらの食材をバランスよく摂取することで、テストステロン分泌を促進できます。


    Q. テストステロンは性行為や自慰によって分泌されますか?

    A. 性行為や自慰などの性的刺激を受けると、テストステロンの分泌が著しく増加します。
    研究によると、性的活動中にテストステロンレベルが最大76%上昇することがあります。
    これは短時間で起こる変化で、性的興奮や活動がホルモンバランスに大きな影響を与えることを示しています。

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