自毛植毛の「FUE法」と「FUT法」
自毛植毛には主に「FUE法」と「FUT法」の2種類があります。
FUE法は毛根を一本ずつ採取し、傷跡が目立ちにくい特徴があります。一方、FUT法は後頭部の皮膚を帯状に切り取ってまとめて採取するため、大量の毛髪移植が可能ですが、傷跡が残りやすいです。
どちらの方法を選択するかは、患者の状態や希望に応じて決定されます。次の項目で各方法の詳細を説明します。
FUE法とは
FUE法の特徴
FUE法(Follicular Unit Extraction)は、専用のパンチ器具を使用して後頭部や側頭部から毛包を一つずつ採取し、薄毛部分に移植する方法です。
以下のような特徴があります。
施術方法:専用のパンチ器具を使用して、後頭部や側頭部から毛包を一つずつ採取し、薄毛部分に移植します。メスを使用しないのが特徴です。
痛みと回復:メスを使用しないため、FUT法と比べて術後の痛みが少なく、回復も早いです。術後すぐに日常生活に戻れることが多いです。
仕上がり:毛包を一つずつ選択して移植するため、自然な仕上がりが可能です。
傷跡: 直径1mm以下の小さなパンチを使用するため、点状の小さな傷跡しか残りません。これらは目立ちにくく、短髪でも気づかれにくいです。
コスト: 施術時間と技術難度が理由により、 FUT法より高額な傾向があります。
次の項目ではFUE法は具体的に、どのような流れで施術を行うのか解説します。
FUE法の施術の流れ
FUE法による施術の流れは以下の通りです。
1. 初診とカウンセリング
医師と患者が相談し、施術内容や希望する移植部位、毛髪の密度について確認します。
2. ドナー採取
後頭部や側頭部から、専用のパンチ器具を使用して毛包を一つずつ摘出します。
3. 移植ホールの作成
移植する部位に小さな穴を開け、毛包を受け入れる準備をします。毛髪の生え方を考慮して、角度や方向を調整します。
4. 毛包の移植
採取した毛包を作成したホールに丁寧に移植します。この際、自然な仕上がりになるように配置します。
5. 術後処理
施術後のケアを行い、必要に応じてアフターケアをしてもらいます。
この流れは通常1日で行われ、大量のドナー株を採取する場合でも、施術は1回で完了することが多いです。
FUE法のメリット
- 直径1mm以下の小さなパンチを使用するため、頭皮の傷跡が目立ちにくい
- メスを使用しないため、術後の痛みが少ない
- 毛根を一本ずつ選択できるため、自然な仕上がりが可能
また、メスを使用しないため術後の痛みが少なく、回復も早いです。この方法では、毛根を一本ずつ選択して移植するため、自然な仕上がりが可能です。
さらに、薄毛範囲が狭い患者に適しており、ドナー株の採取範囲を最小限に抑えることができます。術後はすぐに日常生活に戻れるのもメリットとなっています。
FUE法のデメリット
- 施術時間が長くなる傾向があり、患者の負担が大きい
- FUE法は高精度な技術が求められるため、FUT法よりも費用が高くなることが多い。
- 広範囲の薄毛には不向きで、効果に個人差がある
FUE法を進化させた「MIRAI法」について
親和クリニックでは、FUE法をベースに進化させた「MIRAI法」を採用しています。
MIRAI法は従来のFUE法と比較して、以下のような特徴があります。
- 最小限の負担
内径0.8mm程度の極細パンチブレードを使用し、メスを使わないため、術後の痛みや腫れが少なくなります。 - 高密度の植毛で自然なボリューム感
独自の空気圧を用いた機器でグラフトを移植するため、ダメージを抑えつつ迅速に施術できます。
1㎠あたり80〜100グラフト(200〜250本程度)の高密度植毛が可能です。 - 自然な仕上がり
ドクターが一本一本髪の毛を選別し、生え際や分け目など細かな部分まで丁寧に移植します。 - 大量植毛
「スーパーメガセッション」と呼ばれる技術により、1回の手術で約10,000本(約4,000グラフト)の移植が可能です。
親和クリニックでは、MIRAI法の特徴である、メスを使わない高密度自毛植毛、短期間での回復、自然な仕上がりなどを活かして、患者さまのお悩みを解決するための最適な提案をいたします。
どんな些細なことでもお気軽にご質問ください。
FUT法とは
FUT法の特徴
FUT法(Follicular Unit Transplantation)は、FUSS法やストリップ法とも呼ばれる自毛植毛技術です。
主な特徴は以下の通りです。
施術方法:後頭部から帯状に皮膚を切除し、毛包を採取します。FUE法が一本ずつ毛包を採取するのに対し、FUT法はまとめて採取できます。
痛みと回復:FUE法と比べて術中・術後の痛みが強く、回復に時間がかかります。
植毛の仕上がり:自然な仕上がりが期待でき、高い生着率が得られます。
傷跡:後頭部に線状の傷跡が残りますが、長髪であれば隠すことができます。
適応:広範囲の薄毛に適しており、一度に多くのグラフトを採取できます。
コスト:FUE法と比較して比較的リーズナブルな費用で施術が可能です。
FUT法は、傷跡や痛みの点でFUE法に劣りますが、広範囲の植毛や費用面でメリットがあります。
FUT法の施術の流れ
FUT法による施術の流れは以下の通りです。
1. 初診とカウンセリング
医師と患者が相談し、施術内容や希望する移植部位、毛髪の密度について確認します。
2. ドナー採取
後頭部から帯状の皮膚(ストリップ)を切除します。
3. 毛包の分離
切除したストリップから、顕微鏡を使用して毛包を一つずつ丁寧に分離します。
4. 移植部位の準備
移植する部位に小さな切開を施し、毛包を受け入れる準備をします。
5. 毛包の移植
分離した毛包を切開部位に慎重に移植します。
6. ドナー部位の縫合
切除した部分を縫合し、傷跡を最小限に抑えます。
7. 術後処理
施術後のケアを行い、必要に応じてアフターケアをしてもらいます。
この流れは通常1日で完了しますが、大規模な移植の場合は複数日に分けて行うこともあります。
FUT法のメリット
FUT法のメリットは以下の通りです。
• 一度に多くのグラフトを採取できるため、広範囲の薄毛治療に適している
• 生涯に採取可能なグラフト数が多く、FUE法の約2倍の植毛が可能
• 施術時に髪を刈り上げる必要がないため、術直後の髪型変化が少ない
• FUE法と比較して施術費用が比較的リーズナブル
FUT法は、一度に多くのグラフトを採取できるため、広範囲の薄毛治療に適しています。生涯に採取可能なグラフト数が多く、FUE法の約2倍の植毛が可能です。
また、毛包周辺の組織ごと移植するため、生着率が高く自然な仕上がりが期待できます。
施術時に髪を刈り上げる必要がないため、術後の髪型変化が少ないのも特徴です。さらに、FUE法と比較して施術費用が比較的リーズナブルです。熟練した技術により、高い植毛成績と自然な仕上がりが得られるため、多くの患者に選ばれています。
FUT法のデメリット
FUT法のデメリットは以下の通りです。
- 後頭部に線状の傷跡が残り、短髪の場合は目立ちやすい
- 術後の痛みが強く、回復に時間がかかる
- 再施術の際にドナー部位が制限される
- 手術時間が長く、患者の負担が大きい
- 頭皮を切開するため、術後の違和感や痛みが比較的長く続く
- 術後しばらくは激しい運動や入浴などの制限がある
術後の痛みが強く回復に時間がかかり、頭皮の緊張が周囲の毛根に悪影響を与える可能性もあります。
また、再施術時にドナー部位が制限され、施術可能な医療機関が限られるため注意が必要です。
FUE法とFUT法はどっちがいい?特徴と違いを比較
FUE法とFUT法は、それぞれ異なる特徴を持ち、患者さんの状態や希望によって適した方法が変わります。
FUE法に向いている人
FUE法に向いている人の特徴について、FUT法と比較して説明します。
傷跡を気にする人
• FUE法は小さな点状の傷跡しか残らず、FUT法の線状の傷跡より目立ちにくい
短髪や坊主頭を好む人
• FUE法は傷跡が分散するため、短い髪型でも目立ちにくい
なるべく痛みを抑えたい人
• FUE法はFUT法と比べて術後の痛みが少なく、回復も早い
日常生活への影響を最小限にしたい人
• FUE法は術後のダウンタイムが短く、早期に通常の生活に戻れる
部分的な薄毛や生え際の改善を希望する人
• FUE法は小規模な移植に適しており、自然な仕上がりが期待できる
若年層の患者
• FUE法は将来の薄毛進行に備えて、ドナー部位を温存できる
アクティブなライフスタイルの人
• FUE法は術後の制限が少なく、早期に運動や水泳などの活動に戻れる
費用よりも仕上がりを重視する人
• FUE法はFUT法より高額だが、より自然な仕上がりが期待できる
FUT法に向いている人
FUT法に向いている人の特徴について、FUE法と比較して説明します。
広範囲の薄毛改善を希望する人
• FUT法は一度に多くのグラフトを採取できるため、広範囲の植毛に適している
コスト重視の人
• FUT法はFUE法と比較して施術費用が比較的リーズナブル
長髪の人
• FUT法の線状の傷跡は、長い髪型であれば隠すことが可能
短時間での施術を希望する人
• FUT法はFUE法と比べて施術時間が短く、患者の負担が少ない
高い生着率を求める人
• FUT法は毛包周辺の組織ごと移植するため、FUE法より高い生着率が期待できる
将来の薄毛進行を懸念する人
• FUT法は生涯に採取可能なグラフト数が多く、将来の薄毛進行にも対応しやすい
FUE法とFUT法の歴史
自毛植毛の歴史と、主な自毛植毛の手法であるFUT法とFUE法について、下記の動画にて薄毛治療の専門医が解説しています。
自毛植毛(FUE法/FUT法)のよくある質問
Q. 植毛はFUE法とFUT法のどちらが良いですか?
A. FUE法とFUT法はどちらも自毛植毛の有効な方法ですが、親和クリニックではFUE法をベースとした施術を推奨しています。
FUE法は傷跡が目立ちにくく、術後の痛みも少ないため、患者さんの負担が軽減されます。
また、自然な仕上がりが期待でき、短髪の方にも適しています。さらに、FUE法は再施術の可能性も高く、将来の薄毛進行にも柔軟に対応できます。
これらの利点から、多くの患者さんにとってFUE法がより良い選択肢となっています。
Q. FUE法やFUT法の植毛で傷跡は残りますか?
A. FUE法とFUT法では、傷跡の残り方に大きな違いがあります。
FUE法では、直径1mm以下の小さなパンチを使用して毛包を一つずつ採取するため、点状の小さな傷跡しか残りません。
これらの傷跡は分散しているため、目立ちにくく、短髪でも気づかれにくいのが特徴です。
一方、FUT法では後頭部の皮膚を帯状に切り取るため、線状の目立つ傷跡が残ります。この傷跡は長髪であれば隠すことができますが、短髪の場合は目立ってしまう可能性があります。
そのため、傷跡の目立ちにくさという点では、FUE法がFUT法よりも優れていると言えます。
Q. FUE法やFUT法の植毛で後悔することはありますか?
A. FUE法とFUT法それぞれのデメリットやリスクについて説明します。
FUE法のリスク
・生着率の低下:毛包を一本ずつ採取するため、技術によっては生着率が低下する可能性があります。
・ドナー部位の制限:採取可能な毛髪の量が限られているため、広範囲の薄毛には不向きです。
FUT法のリスク
・大きな傷跡:後頭部に線状の傷跡が残り、短髪にした際に目立つことがあります。
・術後の痛み:メスを使用するため、術後に激しい痛みや回復期間が長くなることがあります。
・自毛植毛全般には、個人差や体質による効果の違いもあるため、注意が必要です。詳細なデメリットや注意点については、こちらをご覧ください。
Q. FUE法やFUT法の植毛の費用はいくらですか?
A. 自毛植毛にかかる費用の相場は、一般的に100万円前後です。
費用は植毛するグラフト数によって決まり、治療部位や症状の進行状態により異なります。
基本料金に1グラフトあたりの費用を掛け算して合計が算出されます。
FUE法とFUT法では、FUE法が一般的に高額ですが、傷跡が目立たず回復が早いという利点があります。
一方、FUT法は一度に多くのグラフトを採取でき、コストが抑えられる場合がありますが、線状の傷跡が残る可能性があります。
詳細な費用については、こちらをご覧ください。
Q. 自毛植毛は女性でも受けられますか?
A. 女性でも自毛植毛を受けることが可能で、近年その需要が高まっています。
自毛植毛は、薄毛に悩む女性にとって非常に効果的な治療法であり、特に前髪や生え際、つむじなどの気になる部分に植毛することで、全体のボリュームを増やすことができます。
この施術は、周囲に気づかれにくく、自然な仕上がりが期待できるため、プライバシーを重視する女性に最適です。
また、手術後は刈り上げた部分を他の髪で隠せるため、日常生活への影響も少なくて済みます。さらに、自毛植毛によって定着した毛根から自然に髪が育つため、長期的な効果が得られます。
自毛植毛のことなら親和クリニックにご相談ください
自毛植毛は、FUE法やFUT法などの多様な手法があり、個々のニーズに応じた最適な選択が可能です。
親和クリニックでは、最新の技術を用いた施術を提供しており、女性でも安心して受けられます。薄毛に悩む方は無料カウンセリング予約からご相談ください。お一人おひとりに寄り添いながら、丁寧なサポートをお約束します。